レジリエンスは心の筋肉(後編)

投稿日: カテゴリー: 健康

ストレスがあっても前向きに、幸せな人生を過ごすには、しなやかで強い心の筋肉=レジリエンスが必要です。

レジリエンスを鍛える4つの習慣は、Stop, Change, Go, Up
前編のStop(ネガティブ感情を手放す)に続き、後編は、Change(切り替え)から紹介していきます。

 

■ ポジティブな気持ちの切り替え(Change)

分かっているけどやりたくない、やる気がでないことがあります。
感情が行動を決めているので気持ちの切り替えが必要です。

例えば、「難しい」「めんどくさい」「嫌だ」といったマイナス言葉を使うと、やろうとしている行動に気持ちに、頭が切り替えにくい状態になります。それに加えて、マイナス言葉を使っていると集中力が途切れ、ミスが誘発され、時間が余計にかかります。
「チャレンジだ」「できる」「面白い」など、プラスの言葉を使って、ポジティブな感情で頭を切り替える方法が有効です。使う言葉を変えることで、感情や行動を良い方向にコントロールできます。

「どうせできない」「私には能力がない」など、悲観的な考えもよくありません。「やってみなければわからない」「私には経験が足りないだけ」と楽観的に捉えると、良くない状況は永遠には続かない、良くないことは部分的だと思え、気持ちが前向きに切り替わります。悲観的な考えは無力感につながりますが、楽観的な考えは希望を生みます。

ポイント:

  • マイナス言葉を使わない
  • 楽観的な考えで希望をもてる状態にする

 

■ 行動を起こす・続ける(Go)

失敗したくない思いが強いと行動を起こす勇気がもてません。
十分考えてから行動しようという思いは、実は行動を先延ばしにしているにすぎません。
完璧で安全な方法を見つけようと時間をかけることは、場合によっては行動しない言い訳にもなってしまいます。
考えることに時間をかけるより、行動しながら考える、少しでも動いてみると、次に何をすべきかが見えてきて、前に進めます。フットワークの軽い人はたくさんの失敗も経験していますが、それ以上に前に進んでいます。

最初はうまくいっていたのに、だんだん難しくなり、成果が上がらない。やる気が下がり、飽きてくることがあります。粘り強く行動を持続させるにもコツがあります。
例えば、伸び悩みやスランプは、ステージが上がった証拠として歓迎し、様々な制約は、ポジティブ思考を使って、楽しもうと気持ちを切り替えることも有効です。

スポーツや楽器の演奏、語学を勉強した人は、上達するまでに必ずスランプを経験しています。その時どうしていたかを思い出すと、仕事のスランプを克服するヒントがあります。気分転換や人を巻き込むことも有効です。一人では達成できないことも、一緒に取り組む仲間がいれば、スランプを乗り越える力になります。

ポイント:

  • フットワークよく小さなことから始める
  • 制約を楽しんで行動する
  • 人を巻き込んでみる

 

■ 目標に向かって成長する(Up)

目標がない状態ではモチベーションがあがりません。
もし、サッカーにゴールがなければ、シュートを打つこともなく、ただパスを回しているだけで面白くありません。時間が決まっていない試合も同様です。いつ試合は終わるかわからない状態では、モチベーションは上がりません。ゴールになる目標といつまでに達成するか、時間を区切ることは欠かせません。

自分の成長を感じると、人はやる気がでるものです。
それには、得意なこと、つまり強みを使う方が、成長をより実感しやすいです。もちろん、苦手の克服にも達成感がありますが、強みを生かしたほうが、気分が良い上に、結果に早く到達することもできます。

高すぎる目標や達成する方法がないと、モチベーションは上がりません。「宝くじを当てて大金持ちになる」のような、成長や行動を伴わない目標は、あこがれであり妄想です。
目標は現実的であること。加えて、スポーツ選手が、「被災地を元気づけるために金メダルをとる」のような目標をもって練習に励むように、誰かのために達成したい目標だと、途中のつらさを跳ね返すバネになります。

ポイント:

  • やり遂げたい目標を明確にする
  • 自分の強みを意識する
  • 利他的な目標をもつ

 

レジリエンス4つの行動の使い方
Stop, Change, Go, Up の4つのレジリエンス行動は、スキルや能力ではなく繰り返して行う習慣です。米国心理学協会では、「レジリエンスはプロセス」と定義していますが、
プロセスとは習慣のことです。

ストレスを感じたら Stop。 ネガティブが強いなと思ったら Change。
行動が足りないと感じれば Go。 目標がない、成長がないと感じたらUp。
というふうに、その時の状況に合った心の筋トレでレジリエンスを身につけてほしいと思います。

 

※関連記事 レジリエンスは心の筋肉(前編)

 

筆者紹介:

株式会社深谷レジリエンス研究所 代表・レジリエンスコーチ 深谷純子

日本アイ・ビー・エムでのSE経験を経て50代で独立。
挫折や失敗を経験しても立ち直り成長できる人に興味を持ちレジリエンスに出会う。
心理学や脳科学、コーチングを学び、高校生から社会人までを対象とした研修や
ワークショップを全国で展開中。
著書:ひきずらない技術(あさ出版、2017)
ポジティブ心理学公認ファシリテーター、国際コーチ連盟アソシエイツ認定コーチ

株式会社深谷レジリエンス研究所HP はこちら
https://www.fukayaresilience.com/